玉子焼きへの想い

日本人なら誰もが口にする日本料理、玉子焼き。

日頃私たちは玉子焼き作りに携わっていますが、それを差し置いてもこれほど国民に愛され、長く親しまれている料理はないのではとつくづく感じます。

甘い味付けに出汁の味付け。どちらも日本における家庭の味の代表格です。お正月には伊達巻きも加わります。運動会のお弁当も玉子焼き。厚焼きの玉子のように子供から大人になるまでの思い出がぎゅっと詰まっている、そんな料理にも見えてしまうのです。

玉子焼き

昭和40年代、かつては「巨人、大鵬、玉子焼き」とよばれ、玉子焼きは日本人が好きな食事の代表格として並び称されました。

いまでは食生活の多様化・欧米化から、様々な料理が食卓に上りますが玉子焼きはそれでも日本人の食卓にいまも息づいています。

玉栄を始め、多くの玉子焼き業者は古くから「寿司店」を主なお客様として販売してきました。

弊社も多いときは神奈川県内だけで700軒を超えるお寿司屋さんとのお取引がありました。多くの同業者はそのように地元のお寿司屋さんへと玉子焼きを納めていたのです。

その後回転寿司や宅配寿司を始めとして寿司料理の大衆化が進み、寿司を食べる機会は増えました。一方で低価格化のため、私たちのように昔ながらの丁寧な作り方で玉子焼きを作る業者は以前よりも少なくなってしまったような気がします。

それでも懇意にしていただいている寿司店様に理解していただき、本当に添加物を使わない、優しく安全な玉子焼きを提供しています。名前は挙げられませんが寿司業界の有名店でも当社の玉子焼きを使っていただいています。

今では、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、そしてお弁当と様々なお客様を通じて玉栄の玉子焼きは皆様の食卓に並んでいます。

玉子焼き

多くの人に本当の玉子焼きを知って欲しい、そして美味しい玉子焼きを愉しんで欲しい。

ホンモノが少ない時代。所詮玉子焼き、でも、されど玉子焼き。

そういう素直な気持ちで玉子焼きをこれからも作っていきます。

株式会社 玉栄 代表取締役 山田幸一